さてラビットといえば食べロケマスター、お笑い芸人でタレントの石塚英彦さんのCMでお馴染みです。買取専門店「ラビット」に愛車を売るときの攻略ポイントと気を付けたい点などについて、説明して参ります。
目次
■中古車買取業者ラビットとは
株式会社ラビット・カーネットワークが運営するこちらは、前回紹介したガリバーに次ぐ車買取実績国内第2位のフランチャイズ型買取専門業者です。
加盟する会社はそれぞれの経営者がおり、独自に経営されていますが、本部のきめた買取マニュアルを厳守する形で基本的には「中古車買取のみ」を行っている店舗がほとんどです。
実は加盟店社長や、本部執行部には元ガリバー社員が多いことで有名で、買取方針やノウハウが継承されていて、基本的な取引の流れはガリバーのそれと酷似しています。
ラビットフランチャイズを統括するこの会社の最大の特徴は、日本最大の業者用オークション会場運営会社、株式会社USSの100%子会社であるという事、同社はそれを「だから高い買取価格をつけられる」と称していますが、ここに大きな盲点が隠れています。
■ラビットの特徴
ラビットはフランチャイズ展開されている買取専門店なので、いくら本部の方針に従う必要があるとはいえ、そのスタッフの質や数、店舗数などの経営規模や財政状態などなど、経営状態の安定度合いはそれぞれの会社でまちまちです。
優秀なスタッフが揃い買取台数も多く、高い利益を出している加盟会社は買取価格も安定的に、反対に経営難に陥っている加盟会社は否応なく買取価格を抑えざるを得ません。
また、大手オークション会社、USSグループであることを「売り」にしていますが、買い取った中古車は「必ず」USSオークションに出品、利ざやで利益を得るスタイルなので、その店舗に販売スペースはありません。
そのため広い店舗スペースが必要なく、都市部の繁華街にその店舗が多いのが特徴です。
また、土地代を始め中古車在庫を維持するためのスタッフの人件費から、税金などの維持費が抑えられコンパクトな経営ができることが、200を越える加盟店を増やした大きな要因と言えます。
■ラビットに自動車を売る、正直に言えば・・・
ラビットは独自に中古車販売をすることはほぼありません。そのため利益を出すためには、客から持ち込まれた車を「USS落札相場」より絶対に低い価格で買い取って、オークションに出品しないと経営が成り立ちません。
ですので、このラビットに中古車を売るときは、価格交渉はほぼ不可能と考えた方がよいでしょう。他業者がラビットより高い査定額をつけていても、それに張り合って査定額を引き上げるメリットが、ラビットには一切ないからです。
しかも、オークション会場に出品する際業者の大きな負担になるのが、会場使用手数料で、USS当然全ての車関係業者から手数料を取っています。
ここで、ラビットは傘下企業だから免除されるのかと思いきや、しっかりと他業者と同じく手数料を取られますので、大した経費削減にもならず「USSグループだから高く買い取れる」といううたい文句が幻想だということが良くわかります。
更に最も顕著なのが、高走行距離の車や不人気車種への査定の渋さです。
多くの車買取業者を含む、規模はどうあれ多少なりと自社で販売するケースを残している業者の場合、例えオークションで不人気な車でも顧客のなかに「走ればどんなに古くても良いから」という、業界人なら一度は耳にする要望を受けることも多々あります。
そんなとき用に「キープ」として、ある程度の価格をつけて引き取る場合が多々あります。
しかしラビットは、オークションで落札されにくい不人気車や高走行車には、基本的に見向きもしません。加盟店のなかには人員の少なさなどから、廃車の手続きすら断ってくるところまであるほどです。ある意味よく業務効率化されているとも取れますが、それが売り手にとって良いか悪いかはまた別のお話。
■ラビットに車を持ち込むメリット
ただし、ラビットにも利用価値は十分あります。
まず1点目は、全国に流通する中古車の内約30%がこのラビットの親会社、USSのオークションを経由して市場に出てきますが、このラビットに最初に見積もりしてもらえば、USSの取引相場がある程度見えてくるので、「参考査定価格」として他社との交渉で役立ちます。
また2点目として、ほぼUSSの仕入れ部門といっても過言ではない、このラビットの本社から与えられる隠れた使命は「USSの繁栄のために人気の高い中古車種を数多く仕入れる」ということです。
よって、優秀な商品となる優秀な中古車は、親会社オークション会場の目玉になりその反映に繋がるため、ある程度高めの査定を出して、安定的にオークション会場に供給しようとする傾向にあります。
しかも、販売ブースを持つ他社が販売にかかるコスト分、買取価格を当然下げざる得ないのに対して、ラビットは人気車種に関しては、自社の利益の元「利ざや」がでる原資でもある「削減できる販売コスト分」を上乗せしてでも、他社を出し抜こうとしてきます。
ですので明らかに好条件で、人気の高い車種を売るときは、例外的にラビットの査定額が他の業者を大きく上回る可能性は高くなってきます。
更に3点目、少々強引な一面のあるガリバーの営業マンに比べ、フランチャイズという形態も手伝って地元密着型の店舗も多く、案外柔らかい応対のスタッフが多く、女性や年配の方に人気があるのもこのラビットの特徴。
古い車は査定額を期待できず、価格のつり上げが難しいとはいえ、普通の車には普通の買取価格良くも悪くも安定した額は出してくるので、手間や時間をかけずに「安心重視」で車を売りたいときは、ラビットを利用するとよいかもしれません。
■ラビットに高く買い取ってもらうには
以上のことを踏まえて、ラビットへの攻略法をまとめてみましょう。
店舗外観、スタッフの様子は大事
おおむね好調な業績を上げているラビット各店ですが、フランチャイズ展開である以上、中には財政が「火の車」な加盟会社が場合も無いわけではありません。念のため、あまりにみすぼらしい店舗や、車業界最大の繁忙期、春口の土日でも1人っきりで運営されているような店舗は避けましょう。
駆け引きが難しい。他社競合の材料に
そのほとんどの買取者をUSSに出品するので、価格に流動性はあまり期待できません。逆にその安定感を利用して他社との価格交渉のたたき台にするのはいい手です。
古い車、走行距離の多い車はラビットには持ち込まない。
これはそのままの意味、止めておいたほうが絶対にいいです。
大人気車、好条件車はラビットが狙い目になることも。
親会社USSが最優先、多少自社の利益が減っても高い査定価格を出すことも多くあります。
安心安全を重視するなら大手で安定感も抜群。
攻略法1で述べた経営の危ぶまれる店舗以外は、確実さと安定感はさすがに大手。
特にさほど価格交渉に興味のない方、何より手軽さを求める方などは、ラビットに愛車を売るのも選択肢の有力候補となるでしょう。
◼ラビットで車を高く売る方法・・・ピンポイントまとめ。
大きな買取価格の上乗せを狙うことは難しいラビットですが、良くも悪くも安定感は支持できます。ただ、この記事では「いかに愛車を高く売るか」という事にこだわっていますので、その点だけに絞って言えば、ラビットは一歩他業者に劣るかな、とは思います。
端的にポイントをまとめます。
- フランチャイズ店の差が激しいので外観や接客態度などに注目して外れ店舗を避ける。
- 他社比較の交渉材料としての基準価格には良い。
- 逆に相場から大きく外れることはないので普通の車であれば損はしない。
- 交渉が苦手なら逆にメリットともなる査定額の安定感も。
- 多走行車などデメリット材料はとことん不利になり安い
- 大人気車こそ高額査定が狙えるワンチャンスあり。
- 大手ならではの手続きの安心感。
融通が利きにくい反面「普通の店舗」であれば査定額に安定感はある。ただしその反面フランチャイズ店の店舗格差が出ているのが何とも言えないところ。一括査定などでラビットが提示してきた場合はちらっと店舗の前をのぞいてみましょう。
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