エンジンオイル交換時期の嘘と本当「現場の声」伝えます。

割と議論が割れているエンジンオイルの交換時期。ディーラーが金儲けするための謳い文句だ!メーカー指定の交換時期で問題ない!だったら現場で確かめましょう。

適切なエンジンオイルの交換時期

本当は車種別、エンジン特性別、使用用途でかなり細かく分かれますので一概には言えません。ある程度範囲を設けてありますが、表にしてみました。とりあえずの目安程度に考えてみてください。

エンジンオイル交換時期参考早見表

エンジン種類標準的な使用シビアコンディション推奨交換時期
ガソリン15000km
または12ヶ月
7500km
または6ヶ月
5000-10000km
または6ヶ月
ガソリンターボ5000km
または6ヶ月
2500km
または3ヶ月
2500-5000km
3-6ヶ月
ディーゼル5000-20000km
または6-12ヶ月
2500-10000km
3-6ヶ月
2500-5000km
3-6ヶ月
ディーゼルターボ5000km
6ヶ月
2500km
3ヶ月
2500-5000km
3-6ヶ月

※推奨交換時期は私の観点です。実際にメーカー推奨の「通常使用時」の観点が甘くてブレすぎなので、あまりにも当てになりません。

過酷な使われ方に対する、エンジンオイルの交換時期として「シビアコンディションに該当する場合の交換時期が定められていますが、ショートトリップのシビアコンディションに該当する使用状況のユーザーさんは、潜在的にかなり存在すると考えられます。

交換時期は果たして適切なのか?

ここではノンターボ車の普通のガソリンエンジンを例に挙げて説明します。

日本の大手メーカーのほとんどがエンジンオイルの交換時期を15000km走行、または1年の早い方としています。ただし条件があり、標準的な使用方法の場合、かつ点検は適宜必要と記載されています。

そしてあくまでも目安です。点検を受けて問題が無いと判断された場合のみです。

ハッキリ書きますが普通の使い方で15000㎞も走行したらエンジンオイルは真っ黒です。後にこまめにオイル交換しても内部にこびりついた汚れを完全除去することはこんなんです。

それでもエンジンは壊れませんが、エンジンオイルは交換してもすべて排出されるわけではありませんし、汚れが激しくなってデポジット(固着)化した場合蓄積された汚れとなります。

燃焼時の環境が悪いほどエンジンオイル中にはスラッジやワニスといった固形汚れが浮遊します。

これらはエンジンオイルの流れが悪いオイルパンやシリンダなどの金属壁面などに滞留し、結果的に固着します。

エンジンにはオイルフィルターもありますし、そうそう故障にはつながりませんから、今までずぼらにオイル交換時期を守らなかった人でも故障したことなんか無い!15000km毎の交換で十分だという人もいるでしょう。

車検ごとに車を買い替える人なんかはそれでもいいでしょう。のちにその中古車を購入する人にとっては災いになりかねませんが。

オイルメンテナンス不良から故障に繋がるのは経年時

今のエンジンは非常に高性能です。低燃費化設計によりピストンリングを低張力化した弊害でオイル消費の故障率は非常に高くなっていますが、それ以外で言えばかなり高精度に作られています。

そして、「オイル消費の故障」こそが非常に厄介です。なぜなら現在のエンジンはオイルメンテナンス不良の影響が「オイル上がりの故障」に直結しやすいのです。

オイル上がりについては他のページで詳しく解説したいですが、とりあえず通常減るはずのないエンジンオイルが燃料と一緒に燃えて減ってしまう種類の故障です。

エンジンオイルが燃えて減ってしまうと潤滑するためのオイルがいつの間にか無くなってしまってエンジンが焼き付いてしまいます。その前に油圧警告灯や異音で気が付くと思いますが、その時には最早手遅れ状態です。

他にも油路が詰まることによって発生するバルブタイミング機構の故障、スラッジ、ワニスが浮遊してオイルの吸い口であるオイルストレーナーを詰まらせてしまう典型的な焼き付き故障などもあります。

経年時に発生するエンジンオイルメンテナンス不良による症状はわりと多いのです。

車を大切に長く乗りたいならエンジンオイル交換だけはしっかりとした時期に行いましょう。

「今まで壊れたことがない」「ディーラーが設けるための口実」というのは、一方的な誤った情報です。「自分が乗っていた車で壊れたことがない」のは事実かもしれませんが、個人単位での車の使用で車の故障が測れるほど単純ではありません。

※参考までに私が居た環境では(工場全体で)1日に20~40台を整備する工場でした。そこで十年以上見てきた結果なので、車に詳しいおじさんが・・・とかネットで集めた情報を集約した結果ではありません。

蛇足ですが、私も結構インターネットの情報に依存する傾向があるので、良く調べ物をしますが私の業界のことに関しては非常に誤った情報が記載されていることが多いです。

修理に掛かる金額は非常に高額

こうして起きてしまったエンジンの故障は非常に高額です。症状が軽度ならばエンジンオイル添加剤でごまかしごまかし次の車まで我慢する事も出来ますが、焼き付いてエンジンが止まってしまったような場合は最低でもショートブロックというエンジンのメイン構成部品の交換が必要になるでしょう。

または中古エンジンに交換するという手もありますが、最低でも20万円からの修理金額が必要になってきます。あくまで最低でもです。

ガソリン車での推奨交換時期

推奨の交換時期は5000km毎、または6ヶ月です。10000㎞を超えるような走行をしない限りは6ヶ月の方を基準にしてもOKです。例えば6ヶ月を基準にすると走行距離は7000㎞になるから時期的になんか微妙・・・という場合なんかです。必ず5000㎞に固執しなくても良いと思います。

ガソリンターボ車の推奨交換時期

ターボ車に関しては5000㎞または6ヶ月というメーカーの指定通りでほぼ問題ないです。ただし、スポーツ走行する場合などはこの限りではなくサーキット走行するなら常識ですが、1レース毎。高速使用が多い人は3000㎞毎の交換をお勧めします。

ディーゼル車/ディーゼルターボ車の推奨交換時期

ディーゼル車はエンジンの種類によってかなり交換時期に幅がありますので、まずメンテナンスノートと取説で自分の車がどのくらいの交換時期が設定されているのか確認する必要があり余す。

推奨の交換時期は5000㎞または6ヶ月毎で、高速使用、重量物を乗せる機会が多い場合は2500㎞または3ヶ月毎が推奨交換時期です。ディーゼルエンジンのオイルは目視点検ですと、いつも真っ黒で分かりにくいからこそ、しっかりと時期と距離で管理しましょう。

シビアコンディションとは

シビアコンディションとはメーカーが定める「過酷な使用条件」です。シビアコンディションにはTOYOTAですとA-Gまでもしくは一般的な見解ですとA-Fまでの6種設定されていますがエンジンオイルに関わってくる項目は以下。

一応日本車の中で最大のシェアを誇るTOYOTAさんの基準で解説。他社もほとんど同じです。

  1. 悪路走行・・・凹凸、砂利道、わだち、ほこりの多い道路
  2. 登降坂走行・・・山道などアップダウンが激しい道路、峠道など
  3. ショートトリップ・・・短距離繰り返し走行のこと。一回の走行距離が7㎞以下。
  4. 高地走行・・・標高2000m以上の山道など(ディーゼルエンジン)
  5. 長時間アイドリング・・・エンジンかけっぱなし待機や超渋滞路の走行など。

エンジンオイルの交換時期に関わってくる「シビアコンディション」の要因はこの5つ。

その中でも走行していないにもかかわらずオイルが異常劣化してしまっており、そのことに気が付いてないパターンが多いのが「ショートトリップ」と「長時間アイドリング」です。

ショートトリップの恐怖と発生不具合

多分エンジンにとって一番過酷なのがこの「ショートトリップ」です。ショートトリップが多いとエンジンの温度が上がりきらないままエンジンを止めてしまいます。

そうすると何が起きるかと言いますと「結露によって発生した水分」と通常燃焼でも発生する水分がエンジンのオイル温度が上昇しないことによって、蒸発しきれず水分混入オイルになります。酷い車になりますとカフェオレのような白濁したエンジンオイルになります。

更にエンジンと排気ガス浄化装置である触媒を暖めるためにエンジン始動直後はガソリンを多く噴射します。この状態のときは理想の燃焼状態を度外視して燃料の比率が濃い状態でエンジンを運転しますから未燃焼ガスがエンジンオイルに溶け込みます。

そうするとエンジンオイルがガソリンで希釈されたような状態になり、油膜きれを起こしやすい(せん断安定性と油膜保持性能の低下)状態になります。オイル注入口のフィラーキャップを開けるとかなりガソリンの臭いが強い車は要注意です(故障の可能性もありますが割愛)

こんなオイルになっているにも関わらず本人には分かりません。それどころか全く走っていないんだからエンジンオイルの交換なんて当分しなくても問題ないと思っている人が大半です。

そんな状態でもたまに出かけるか、という事で家族を乗せて高速道路でゴー!  ・・・エンジンはたまらんです。はい(泣)

その他にも、普段「近くのスーパーに買い物に行くときしか使わない」という使い方もシビアコンディションです。距離を乗ってないからエンジンオイルを交換しないと主張する人に多いのが、このパターンのシビアコンディションです。オイルがカフェオレのようになっていることもしばしば。

長時間アイドリングはもっとも最近追加された項目

もう一つがかなり特殊なシビアコンディションである長時間ンおアイドリング、または極低速走行。

これが何を意味するかと言いますと、単純に距離では測りきれないエンジンの運転時間の話ですよね。例えば燃料で動く発電機とかもエンジンオイルが使用されています。

ただ発電機はただエンジンが回転することによって発電するだけであって走りません。突然前に進んだら怖いっす。でもオイル交換は必要です。これと同じ考えですね。

想定されるのが警備の待機ドライバーとかですね、お子さんの塾の帰り待ち待機くらいでは当てはまらないかと。

どのくらいの割合「各走行状態」が当てはまったらシビアコンディション?

世界のトヨタさん曰く30%だそうです。この30%という比率ですが割と多いですから、日常的にそのような使い方をしている場合と受け取っていいでしょう。

メーカー推奨の交換時期は故障タイマーの罠なのか?

これは分かりません。正直なところ各メーカーとも変えないので何か協定でもあるのか、大人の事情で変えたくても変えられないのか不明です。

ただメーカーの交換推奨時期の15000㎞走行を頑なに守ると、多分保証が切れたあたりの故障率は5000㎞毎に交換している車と比較して、オイル漏れやオイル消費などの故障率は格段に上がると思います。

特にオイル消費の発生率はかなり上がると思います。データを取っているわけではないのでソース出せと言われても困りますが。

皆さんもお気づきかもしれませんが、正規ディーラーである販売店自体が私が一番上のエンジンオイル交換時期早見表の「推奨交換時期」に近い進め方をしてます。

とあるメーカーは公式のメーカーホームページにもガソリンエンジンに対して「5000㎞または6ヶ月毎におすすめします」と記載があります。(取説には15000kmと記載があるにもかかわらず)

多頻度交換なんて販売店が金儲するための口上だと思い込むのも良いですが、現場で見ていた私の話を書かせていただいて何か感じることがあればと思います。(質の悪いことに確かに油脂の類は利益率が高いことは否定しません)

エンジンオイル交換時期のまとめ

  1. エンジンオイル交換時期早見表で「推奨交換時期参照」
  2. オイルメンテナンス不良は後から影響が出る
  3. 故障したら修理費用は10万では効かない可能性あり
  4. シビアコンディションを知ろう
  5. その中でもショートトリップの条件に特に注意
  6. 多頻度のオイル交換は販売店が儲ける口実というのは半分嘘。
  7. メーカー推奨時期を頑なに守ると故障タイマーにやられるかも
  8. 油脂類の利益率が高いことは否定しない!(爆)