エンジンオイルの規格と性能について

エンジンオイルの容器に必ず表示されている意味不明な英文字。これはいったい何を表しているのか?

エンジンオイルの性能を示すAPI規格

API規格とはアメリカ石油協会のことです。Sを頭文字としてSA、SB、SCと刻んでいってSIだけ飛んでSNまでが(2016年)現在設定されている最高規格となります。SIが抜けているのは石油関係の会社でSI規格というような名前の会社があって紛らわしいからとかなんとか。

実際のエンジンオイルの缶で示すところの表示はこんな感じです

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一応参考までに。

SA~SNまでの英文字2つが示すエンジンオイルの性能について

SA 軽負荷運転専用で添加剤なしのベースオイル。

基油というやつ。

SB 酸化安定などのために添加剤あり。

スカッフ防止軸受けの腐食防止などの要求性能。

SC 1964-1967年型でエンジンオイルとしては防錆、清浄分散などの添加剤によって性能アップしている。

耐デポジット性能、耐摩耗、錆び止め防止、腐食防止性等の要求性能。

SD 1968-71年型ガソリンエンジンにSCより性能向上。
SE  1971年以降の一部および1972年式以降の米国乗用車および一部のガソリントラック車用。

SD以上の性能を備えていること。

SF  1980年式以降の米国乗用車および一部のガソリントラック車用。

酸化安定性、耐摩耗性、高低温デポジット抑制などSE以上の要求性能。

SG  1989年以降のガソリン乗用車、バン、軽トラック対応グレード。一昔前はハイグレードオイルと言われるオイルもこのクラスに存在した。

APIサービス分類のCC(ディーゼルの性能)を含み、動弁機構の耐摩耗性やオイルのロングドレン化なども要求性能に含まれる。

SH  1993年以降のガソリン車に対応。SGの最低性能要求において上回り、耐デポジット性能、耐酸化性能などの全てにおいてSGに代用できること

。ILSAC規格GF-1などエンジンメーカー規格の要求性能に合致していること。この辺からが最近のオイルという感じ。

SJ  1996年以降のガソリン車に適用。SHの最低性能要求において上回り、耐デポジット性能、耐酸化性能などの全てにおいてSHに代用できること。

ILSAC規格GF-2などエンジンメーカー規格の要求性能に合致していること。

SL  2001年以降のガソリン車に適用。SJの最低性能要求において上回り、耐デポジット性能、耐酸化性能などの全てにおいてSJに代用できること。

加えて燃費性能やオイルのロングドレン化など環境性能について特に高い性能が要求される。環境性能強化が堅調になってきたのはこのあたり。俗にいう省燃費オイル基準。

SM 単に高性能オイルがこの分類に属するわけではない。低摩擦、低フリクション化による省燃費性が求められる。

環境性能において高い基準を設けたSL規格よりも、燃費性能の向上、排気ガスクリーン化、エンジンオイルのロングドレン化をさらに性能向上させることが要求される。低温流動、酸化劣化に優れていることが必要。

SM SM規格よりもさらに厳しい基準で審査された規格で、基本的な審査項目に関してはほぼSMと同じだが触媒システム保護性能なども求められるなど多性能化。

省燃費基準に関してもSM規格に対して0.5%以上改善という要求性能から全化学合成油がメインの規格。0W-20や0W-16の超低粘度オイルはこの規格。

以上が形式上に定められているオイル性能とAPI表示です。

読むとわかる通り単純アルファベット文字が進むにつれて「エンジンを保護する性能」が高いというわけではありません。実際にはスポーツ走行するようなエンジンオイルが「エンジンの保護」においては有利なのですが、下の写真のように・・・。

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SNじゃないんですね。基本的にスポーツ走行を目的としてエンジン保護がメインのエンジンオイルにそこまで高い環境性能を求められても?という部分とモデルが単純に古いという問題もあります。

要は規格としては性能達成をしているけど審査していないというケースですね。パッケージが古いだけで中身は十分SN規格に達している場合です。

とは言え通常販売しているエンジンオイルを入れて壊れるようなことはまずありません。省燃費エンジンオイル対応のエンジンに関しては省燃費エンジンオイルを入れるのが好ましいので現行の車両をお乗りになっている人は、まずSN規格のエンジンオイルを選んでおけば問題ありません。

ILSAC規格に関して

なぜこんなに規格を色々表示して意味不明な感じにするのか分かりませんが、きっと大人の事情です。

ILSAC : International Lubricant Standardization and Aproval Committee と言います。日米の自動車メーカーによるエンジンオイル規格制定組織GF1~GF5で表示され数値が大きい方が高性能。

GF5は概ね高性能省燃費エンジンオイルなどに表示されている。このILSAC規格に関しては表示なしの製品もありますが、表示がないからと言ってダメなオイルというわけではありません。

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という感じでILSAC規格の表示が無いエンジンオイルもあります。これに関しては特別気にしなくてもOKです。APIオイル規格が表示されていればOKです。

問題は間違った種類の「オイル」を入れてしまう事

規格や性能はともかくエンジンオイル以外のオイルをエンジンに入れてしまう危険の方がよっぽど怖いです。特にDIYで交換する場合は誰も止めてくれないのが怖いところです。

例としてはギアオイルやデフオイルなどを入れてしまうパターン。これらは粘度が高いので一見油膜が強いので燃費が悪くなる程度でエンジンに影響はないのでは?と思われがちですが思わぬ負荷で故障する可能性があります。

実際にデフオイルを入れてしまい壊れてしまったエンジンを見たことがありますのでご注意を。