エンジンオイルの粘度と選び方

エンジンオイル選びの中で最近の車で最も重要になってくるのが「エンジンオイルの粘度」です。そこで適した粘度の調べ方、また同じ粘度でもどんなエンジンオイルを選んだらいいのかアドバイスになればと思います。

エンジンオイル選びで重要な粘度について

まずは自分の車がどんな粘度のエンジンオイルが適しているのか調べる

簡単なところで、自分の車の取り扱い説明書が一番確実ですね。エンジンコーションプレートに記載がある車もありますが一番確実なのは取扱説明書です。

同じエンジンで同じ車でも指定の粘度が異なることがありますので、ネット情報で調べるときは必ず年式を確認して調べるようにしましょう。これは私が書いいる情報も含めてなのですが、人間が手で書いている以上、誤情報は必ずあります。(気を付けて書きます)

エンジンオイルの粘度が重要な理由

レースやスポーツ走行しなければ名に入れても一緒でしょう?と思われるかもしれませんが、選び方を間違えると調子が悪くなったり、下手したらエンジンが故障します。なんでエンジンもオイルも性能アップしている世の中でそんなことが起きるんだよ!と思うかもしれませんが事実です。

例1:超低燃費特化型設計のエンジンとそのエンジンオイル

TOYOTAのAQUA(アクア)が有名どころでしょうか?この車ある時期を境にエンジンオイルが0W-16という超低粘度に変わっています。それに伴ってエンジンもオイルクリアランス(オイル隙間)周りを改善して極限まで低フリクション化。燃費ナンバーワンの座を死守しました。

問題はこの0W-16のエンジンオイルですが、普通のエンジンには使用しない方が良いです。確かに低粘度なので抵抗が少ないのは事実ですが、現状のエンジン設計向きでは無いのでオイル漏れやオイル消費の原因となったりする可能性があります。

さらに高回転でエンジンを回すとオイルの粘度が低すぎてキャビテーションと呼ばれる泡立ち現象が起き潤滑不良からエンジンにダメージが入る可能性があるともいわれています。

逆にオイルクリアランスがシビアに設計されているアクアに高粘度オイルを入れるとフリクションロスの影響を受けやすく燃費に関しては悪影響を及ぼします。

極端な例ですが、このように一般大衆車でレースやスポーツ走行するような車じゃなくても適当に選ぶと弊害を起こす可能性があるということで挙げさせていただきました。

エンジンオイル粘度分類ー表示の見方について

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これは実際のエンジンオイルの缶の画像からアップした物ですがこの0W-20という数値と英文字の組み合わせが粘度分類です。

低温側粘度

まず「0W」について。Wの英文字ですが(笑)のWではありませんWinterの頭文字からとっています。何を表しているかというと陶器などの寒いとき、エンジンが冷えているときを想定した粘度指数を表します。

車で使用されるものは省燃費オイル推奨車では現在0Wが主流。省燃費エンジンオイル出始めは5Wが多かったです。省燃費を意識したい場合は最低でもこのくらいの低温粘度指数を選んでおきたいところです。ただし古い車や大排気量車には0Wオイルは向いていません。

なぜならエンジンが冷えているときはオイルの流動性も悪いですが、エンジン自体も金属部分が膨張しておらず隙間が広い状態です。オイル隙間が広い古い車のエンジンや大排気量車ではエンジンオイル上がりや打音などの原因になりかねません。

そういった車両は10W程度の低温粘度指数を持った製品をチョイスしましょう。ちなみに自動車用として使用される低温粘度指数の表示は0Wから20W程度で、低温側粘度が高い20W-50なんてものもあるわけです。

こぼれ話ですがこの粘度指数をきちんと数値に当てはまるように決まった温度で、ポンピングを行いその時の流動性などを数値化して0Wとか5Wとかに置き換えています。ただし※※~※※は0Wといったように一定の範囲を設けているため同じ0Wでも全く同じ粘度というわけではないようです。

高温側粘度

ハイフンの後にくる数値が高温側の粘度指数の表示です。高温側の粘度表示が高いほど高温時でも油膜を保つ能力が高いと言えます。化学合成油と鉱物油の比較では異なることがありますが、同種オイル間での比較であれば単純に粘度が高い程、緩衝性能や潤滑性能は高く保たれることになります。

高温になって粘度が下がりすぎると油膜が薄くなり、圧力がかかったときにせん断されて油膜切れを起こします。この油膜切れの状態で金属摩擦が発生するとエンジンにダメージが入ったり、俗にいうところのエンジンの焼き付きが発生します。

では高温粘度指数は50や60の高いものが良いのかというとそうではありません。例えるなら日本の一般道で300㎞/h出る車を持て余すような感じです。ただただ無駄なパワーとともにガソリンを垂れ流す状態になってしまいます。

一般的に回転数が低く抑えられているハイブリッドカーや省燃費志向の設計がされている最近のエンジンでは20程度の高温側粘度で十分です。ちょっと型落ち~距離を結構乗ってしまったエンジンなどでも30程度の高温側粘度があれば十分とされています。

現に現行車の指定オイルはほとんどすべて「0W-20」か「5W-20」になっているはずです。大排気量車やスポーツ志向の車の一部が10W-30などになっている程度で、これらは極少数になりつつあります。

では40~60の必要性は?

このような高温時に粘度を保ち強い油膜性能を持つエンジンオイルは通常スポーツ走行を前提とした高回転型のエンジンやターボ車などに用いられます。ジムカーナやサーキットで走りたいなーなんて考えている人は省燃費エンジンオイルなどで走らず、これらの高粘度オイルを推奨します。

特にバイクは高回転型のエンジンが多く、粘度によってかなり出力への影響を受けるのでいろいろと試してみるのも面白いと思います。

エンジンオイル粘度表示のおさらい(図解)

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ざっくりまとめておきます。

  1. 低温側は寒いときの粘度。HVカーや現行車は0Wか5Wを推奨します。
  2. 高温側はエンジン暖気後の粘度。HVカーや現行車は20を推奨します。
  3. 低温側10W以上は大排気量車や型が古いエンジン、経年使用車が対象です。
  4. 高温側40以上はスポーツ走行車両などが対象です。

例外として0W-20でもスポーツ走行可能な化学合成油や0W-50の超マルチグレードの化学合成油もありますが、価格も一般的ではないので割愛しておきます。

こんな感じです。お分かりいただけたでしょうか?